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掲載日付:2021.12.15

退院後訪問から学んだこと <6南:回復期リハ病棟>

回復期リハビリテーション病棟では、怪我や病気で後遺症が残った場合でも、誰もがその人らしい安心した生活が送れることを最終目標に、個々に応じたリハビリや退院後の生活をイメージした調整を他職種チームで集中的に行います。
また、退院後は入院中のリハビリを活かしてどう過ごされているか、困っていることはないか等を確認する為に電話や自宅訪問を行っています。

今回、訪問させていただいた方から1例ご紹介します。

この方は突然の脳梗塞発症による半身麻痺で、発症当初は一人で歩くこともできない状態でしたが、生きがいでもある遊子の段々畑でまた農作業をしたいという願いをお持ちでした。

リハビリではまず麻痺のある手足を動かす練習から開始し、段階的に難しいリハビリに取り組みました。
結果、何とか一人で歩けるようになり、発症3ヶ月目には体力もついて病院の小さな畑でくわ打ちができるようになりました。
そこで、実際にどのような環境で農作業を行っているのか、ご自宅の畑を見に行きました。

初めて段々畑を見た私は、狭く急勾配でとても危険な環境だと感じました。
しかし本人の農作業への意思は強く、私自身不安を抱えながらも退院直前の発症4ヶ月目には畑の環境を想定した屋外の傾斜地や階段、重い荷物の運搬等の応用的な動作の訓練も取り入れました。



退院から約2ヶ月後に訪問すると、畑内でくわ入れの作業中でした。
畑作業は入院による体力の低下や転倒の危険性などもあるため、作業が十分に行えていないのではと考えていましたが、狭く不整地な畑内を慣れた様子で移動しながらくわ入れ等を行えており、安心すると共に驚きを隠せませんでした。
今年は例年と比較し種植えの規模を縮小したとのことでしたが、概ね植え終わっている状況でした。



今回の退院後訪問で、退院後の生活や動作を見据え実践的な訓練を行う重要性を改めて学びました。
今後も退院後訪問を続け、退院後の生活状況の確認やサポートを継続していきます。
最後にご本人様より「徳洲会でリハビリが出来て良かった。こうして畑が出来るようになったから」と、いきいきした表情で嬉しいお言葉をいただきました。


退院後訪問を快く了承してくださったご本人様及びご家族様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。 (理学療法士 竹本幸太)

※今回、ご本人様及びご家族様より承諾を得て、ホームページに掲載させていただいています。



2021年も残すところ1ヶ月を切りました。
寒い日が続いておりますので、皆さま体調管理に気を付けて年末年始をお過ごしください。

患者さまといっしょに作りました


Merry Xmas !!



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