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掲載日付:2020.09.29

【セラピスト特集➀】理学療法士のひたむきな挑戦  <6南:回復期リハ病棟>

宇和島徳洲会病院の回復期リハビリテーション病棟で理学療法士をしている梶谷将良です。



理学療法とは日常生活の中での基本的な動作(寝返り、起き上がり、座位、歩行等)の改善を図り、生活の質の向上を目的に介入します。リハビリする中で、私たちの徒手だけでは難しい事が多い為、道具や機材を使い手伝ってもらっています。いくつか紹介いたします。


【歩行補助具】
患者様一人一人の状態にあった歩行器を選び、また合う物がなければ外部の業者様からレンタルし、提供しています。
入院する前に家で使っていた物を当院に持ち込み、それを使って練習する事もあります。



【下肢装具(短下肢装具・長下肢装具)】
短下肢装具や長下肢装具は脳血管疾患の方に主に使用します。
以前入院していた方が実際に使っていた装具を最終的に使わなくなった為、誰かの為に使って欲しいという事で寄贈していただいた物もあります。




【HONDA歩行アシスト】
有名な車のメーカーが造られた歩行練習機器です。
中にモーターが内蔵されており、足を出したり戻したりとサポートしてくれます。
また、タブレットにより歩行時の左右対称性・可動範囲・歩行速度などを計測し、その場で確認する事ができます。




こういった道具や機材を用いて歩けるようにリハビリをしています。病気にかかってしまった患者様の大体の方は、まず歩けるようになりたいとおっしゃる方が多いです。

いきなりですが、私には信念があります。『歩きたいと望まれる患者様は何がなんでも歩かせてあげたい。』そう思うようになった出来事があります。
私が2年目のことです。歩いて家に帰してあげられなかった患者様がいらっしゃいます。入院当初から自分で起き上がる事ができず、装具を装着しても歩くことができなかった方がおられました。なかなか思うようにいかず、担当の患者様からは「お前はもう来なくていい」「あの人が担当なら歩けていたかもしれない」と言われたことがあり、私は、悩み、鬱になり、家から出られなくなった事もありました。そこからというもの患者様の前で笑顔を作ることができなくなりました。

同期や先輩方、他職種といった周りの支えがあり、患者様をよくしたいと思うだけではなく、患者様が生活の中で楽しみ、更に元の生活に戻っていただけるように、自分自身を犠牲にしてでも勉強し、知識を得たい、技術を磨きたいと思いました。
日々試行錯誤をしながらリハビリに取り組み、次第に日々の変化に泣いて喜んでくださる方や歩いて帰ることが難しい患者様も歩いて退院することができるようになり、退院後も会いに来てくださる方もいらっしゃいました。私自身も患者様と笑顔で関われるようになり、患者様の日々の変化に喜びややりがいを感じるようになりました。

現在、私は5年目となり、毎日しているリハビリ内容が正しいのか葛藤の日々ではありますが、1日でも早く患者様に歩けるようになっていただき、患者様が望んだ生活を提供できるように努力していきたいと思っています。


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